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 この時期になると 思い出すことがある。
 
 ツインクルという星のちょこれーと菓子を
 
 細田先生のお見舞いに高校生の私は持っていったこと。
 
 安いけど一番かわいくて大事なお菓子だったから。
 
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 今はピアノだけあるレッスン室には
 
 世界じゅうの色々なお人形が飾ってあり
 
 そこに1つだけ マトリョーシカがいること。
 
 『私、マトリョーシカだけは興味ないのよ』
 
 といっていたから。
 
 大学生の私はとびきりかわいいパールピンクを選んだんだ。
 
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 月に1回 先生がうちにくるときは
 
 
 かならずおおきな“お菓子”を作っていた
 
 レッスンが終わって
 
 小学生の私は何時間もかけて。うれしそうに。
 
 その後先生と食べた事は憶えていない。
 
 
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 7月の空はそれを思い出す
 
 
 うだる暑さは悲しさをすこし軽くするような記憶がある
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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