25.8.11
本を読みましょうと。
秋生まれだから 秋の気配を感じると安心する。
街にでて ベージュやブラウンの洋服が並んでいるのをみると安心する。
風や植物の香りが変わったのをうけると安心する。
こんな日は読書に耽るに限る
最近読んで気に入った本を並べてみようとおもう。
◆ ◆ ◆ ◆ ◇
『 青春ピカソ 岡本太郎 著 』
“ピカソに挑み、のり超えることがわれわれの直面する課題である”
じつにおもしろい芸術論をぶつけている本。
偉大である存在は日本人の‘尊敬、謙遜’という礼儀作法によって
褒め讃えられ敬いと遠くの存在にしてしまいがちだ。
それを著者は鋭くこう断言する。
‘’大陽のごとき存在であればこそ、かえって神棚からひきずりおろし
堂々と挑まなければならないのだ。
あえて彼に挑み否定しなければならないのだ。”
精神は創造的昂揚によってアドレナリンを発す。
すなわち観る=創る
絵画(だけでなく芸術)を鑑賞者としてだけでなく創造者であるという論理も興味深い。
時には作者以上に作品に依存し超越することもある事実を隠せない
藤田嗣治、猪熊弦一郎、カンジンスキー、マチス、ご老体のゴッホ。。など
1930年代のパリは憧れー
お父さん、またポンヌフ、フランスパン、グラシエールのお話をきかせて。
『 アシモフの雑学コレクション I・アシモフ 著 』
ウエットに富んだ会話ができる人と話をしていると 一日が陽気だ。
アシモフもきっとそうだったにちがいない。
雨にはビタミンB12が含まれている。
宇宙の物質の密度はタテ・ヨコ・高さがそれぞれの30キロのビルに一粒の砂があるのと大差ない。
金は厚さを0.0001ミリにできる。1グラムの金は三キロの長さの針金になる。
非常に細い金糸で織った布がゴールド・ティッシュ。そのあいだにはさむための紙がティッシュ・ペイパー。
地球上に存在した全ての生物の99%がすでに絶滅している。
カモノハシは1億5千年前のは虫類からほ乳類へ変わる前で停止しいまでは生きた化石である。
蚊には47本の葉がある。
コアラはユーカリの木だけで生きる。ほかにはなにもいらない。水さえも。
イルカは鼻でぶつかってサメを殺す事もできる。噛む力も強い。でも人間を襲ったことがない。
回文的な数の並びの簡単な例→21978×4=87912
10989×9=98901
24+3=27 72=3×24
なかなか軽快なリズムでおもしろい。
星新一の“未来いそっぷ”は ロシアのアニクドート(冗談話)仕立てでおすすめ。
『 猫と庄造と2人のおんな 谷崎潤一郎 作 』
猫を溺愛していた庄造とその猫に嫉妬し追い出そうとする妻と、庄造への未練から
猫を引き取ってふり向かせようとする女の話。
一見3人の何気ない会話で話はすすんでいくのだが
3人それぞれの前でころころと魅せ方を変えていくリリー(猫はリリーという)の描写が
細かく鮮明で心地よい。
一見ありふれた内容のように感じるが
谷崎潤一郎独特の“話術”で世界にぐっと惹き込まれてしまう。
『 文鳥 夏目漱石 作 』
単に私は鳥が好きで 夏目漱石の書く美しい日本語が大好き。
ただの文鳥のはずが やっと手に入れた文鳥となり
特別となり毎日餌をやるのが日課となり楽しみとなる。
ちょっとした不注意により その文鳥はあっけなく死んでしまう。
稀な短編集。
『 夏の夜の夢 シェークスピア 』
シーシュース:・・・だがバラは香水となってその香りを残してこそ/地上のしあわせを受けるのだ、
摘みとられぬまま/独身の幸福のうちに生き、枯れしぼみ、死ぬよりも。
ヘレナ/恋は目でものを見るのではない、心で見る、
ライサンダー:・・・語るのみにては聞くにたらず、正しく語るをもってはじめて語るにたるなり。
ことばの幻影に酔いしれたいときに
シェークスピアを読む。
夜には魔物が棲んでいるというけれども。。
おまけ『 レター教室 三島由紀夫 作 』
これを読んだ後 当分メール(手紙)が書けなかったほど 衝撃なことばが
あとがきに隠されている。
お話はおもしろい形体ですすんでいく。
4人の中心となる登場人物の手紙のやりとりで一部始終が展開される。
いつかは人に喜ばれる文章をかけるようになりたいものだ
♥
この時期 虫たちを見ると『秋の音楽祭』の仕度をしているのかしらと
かにたちならいうでしょう。クラムボンを横目に。。
私の幻灯もこれでおしまいです
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