高松ピアノ工房(香川県)にピアノ界のブラックジャックと呼ばれる調律師『蒲生さん』がいらっしゃる
我が家の4台のピアノたちは彼なしでは生きられない
ある日
アンティークのスタインウェイの弦が張られ、日本製とドイツ製のハーフが生まれた
またある日
重くてこもった音が特徴のピアノにはきらびやかな高音を与えてくれる。このピアノは梅雨時にはとんでもない音になる
そのまたある日
夜中でも早朝でも音を出せるように特殊装備されたピアノ。このピアノのすごさは普通のピアノ音が失われなかったところだ。
そうして
50年以上にもなる祖母のピアノに 新しい命を吹き込む魔法の技ー
すべて『蒲生さん』のおかげだ
他愛もない話をしながら コーヒーを飲み 妹のプロコフィエフに耳を澄ます
「もうそれでわかる。 タッチがちがうね キレがいい。」
そうして 静かに去っていく