3.9.11

絵『青い夜」




青い夜のことでした




猫には不思議な力が宿る夜というのがございます。



満月の明るい夜の 靄のある夜の 9のつく日なら 青い夜と申します。


手紙を書いている1匹の猫がいました。




ちかちゃんへ   →  蓮より



ぼくはレンだよ


夜中遅くになってお腹がへる習慣は昔からで


千香ちゃんはそれを知っている。


ピアノの音を聴きながら眠るのが好きだ






眠れないときは モーツアルトを弾いてもらう。


近頃 ひつようとされていることをちょっとわかって


かまわれたくなるようになった








青い夜はつづいています。



場所はかわり 極楽橋のほしぞらの下






不機嫌な顔をした私は




その手紙をかもめさんから受け取ります




ここでは猫が管理人をしたり 星がおしゃべりをしたりと 不思議なことが昔からおこるので


私は別段おどろきもしない




へんじをかくことにしました




蓮へ  → 千香子より



すこしふとってよかったね。夏のはじめは痩せていて心配した



今日は素敵な天気だったん。


にぎやかな空だった。晴れたかと思うと風がびゅうびゅう、雨が謳ってはまた晴れる

 




あなたはいつも傍で眠ってくれる。それだけで上手くなった気がするよ。






 ねえー     最近なんで名前呼んだらみるの?



  
  
いつのまにか うっすら 明るくなりはじめ ヒグラシの輪唱です

なにごともなかったかのように

あたらしい朝のはじまりです




この後のおはなしは このとおりです








彼女がピアノの前に座ると  その白い猫は 




それを仕事のように思っているのか 




あたりまえの顔をして 定位置につくのです






彼女はその姿をみて ほっとして 音を奏ではじめます






その白い猫の笑顔をみたいから
 
 
 「  青い夜  」(2007年)








      世界中にたくさん白い猫はいるけれど   この猫が大切だと決めた時から  ただの猫から




かけがえのない猫に変わりました




どうやら 猫もそうおもっているようです
                  


                        




                  

фп

Моя фотография
すきなもの うつくしいもの きれいなものを 傍に置くように 音で表現するように (Леф=Left Front of the Arts)

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