夕方になると開く不思議な魔法の道具屋さんがありました
大きな‘41’という数字のブリキの看板が扉にかけてあって
扉が開かれる度その看板はかんからからんと音をたてておりました
レジの近くに数字のかいた‘二度とない’キャンデーボンボンがあり それは不思議な飴玉でした。味がちがうのは勿論のこと その飴玉を食べると不思議な事が起こるからです
私は791-とかかれたそれをひとつ選び食べたのです
一面にレンゲ畑が広がりなんと美しい事でしょう。あたたかく香ばしい菜の花の香りと太陽の甘さ、青い水の輝きに耳がきーんと鳴りました
そうかと思うと急に雨が降り出し強い風がごうごうとふきはじめたのです
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春の遠い幻影のひとつです