シューマンのおんがく
拍子とリズムを自由自在に操る天才だと感じる。一見わからないようにできている。決まった速度の中でテンポであったり音符の拍数ー聴いているものの呼吸を乱すことなくそれは心地よく変化に富みクライマックスにはなんともいえない心地よさを保つ。たとえそれがリストのように激しく呼吸を荒げるものであったとしても朗々と歌い上げることができるのだ。
ピアノを練習する時に自分にいいきかせる言葉がある。私の性格では『練習する』という姿勢があまり理解できないのだ。『(作曲家を)理解する』と意識させる。そうすれば明確に決められた時間の中でなにをしなければいけないか、また興味と好奇心が湧き集中力が高まるのだ。朝起きて(すぐ)ピアノに向かう。
ブラームスが大好きだったせいかシューマンの存在が自らのプログラムに色薄く充分に理解したいと思い楽譜を開く。まるでオルゴールの箱を開けたみたいな美しい音楽がそこには待っていた。
シンフォニーでもコンチェルトでもトリオでもピアノ曲でもソナタでも2楽章やIntermezzoと呼ばれる間奏曲が私は大変好きだ。短調が多いせいもあり、哀愁的で美しいものが多いいー 『謝肉祭の道化』にでてくるNo.4 intermezzo を奏でて改めてシューマンが大好きになった。少しでも彼に近づきたいと思う。ニコライエワが‘まさに’女性的に演奏し、リヒテルはあまりにも‘リヒテルすぎ’て面白い演奏を遺している。
Im wunderschönen Monat Mai,
Als alle Knospen sprangen,
Da ist in meinem Herzen
Die Liebe aufgegangen.
素晴らしく美しい月、五月に
あらゆる蕾みが一気に開いたとき、
ぼくの心にも
愛がほころんだ。
Im wunderschönen Monat Mai,
Als alle Vögel sangen,
Da hab' ich ihr gestanden
Mein Sehnen und Verlangen.
素晴らしく美しい月、五月に
あらゆる鳥が歌ったとき、
ぼくは彼女に打ち明けた、
あこがれる思いと望みとを。
ハイネの詩によるシューマンの詩人の恋。ピアノが伴奏とは思えないほど美しく歌とデュエットする。個性的な授業をする音楽史の教授の印象的な言葉がいまも忘れられない。
シューベルトとシューマンの歌曲集のちがいはなんでしょうかー
シューベルトは幸福から悲劇的にエンディングする
ベートーヴェン、シューベルト、シューマン。。。春はドイツものが演奏したくなる。
神経質で無理な練習のせいで手を故障してしまったというエピソードを持つ彼のイメージには考えられないほどの美しいメロディがある。
『子供の情景』の熟成されたホロヴィッツ名演奏。トロイメライが此処ぞとばかりに響き渡る
すべての人々のこころの中にある記憶
それがこの曲の美しさの秘密かもしれない
♡